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【第十六話】 【Mi-side】 ‐外‐ 寒さも厳しくなる。羽織る衣服は秋用から冬用へ。 ついに十二月がやってきた。 唯「寒いねえ、澪ちゃん」 隣で歩く私の恋人、唯もその例に漏れず、 コートを着込んで、桃色のマフラーに口元まで顔を埋めている。 その仕草に、私は小動物を連想した。 唯「……澪ちゃん、なに笑ってるの?」 おや。思わず笑みが零れていたようだ。 澪「ちょっと今から楽しみになっちゃって」 唯「あ~、なるほど~。楽しみだよね、クリスマスパーティー!」 唯の顔がぱあっと輝く。 例え、雪がどれだけ降っていても、 この唯の輝きを見失うことはないだろう。 私は微笑を浮かべて、唯に応えた。 澪「……」 尤も、この輝きだって時には失われることもある。 その輝きにトドメを刺した事件が起きたのは、ちょうど先月のことだった。 梓が、軽音部を退部した。 * * * 近所のアーケード街にやってきた。 多種多様な店舗が道の両脇で賑わっている。 その一つ一つも、クリスマス仕様なのか、 雪や電飾等の装飾が施されている。 夜になれば映えることだろう。 唯「まずはあそこに入ろう、澪ちゃん!」 言い終わるや否や、唯はその店に走っていってしまった。 そんな急がなくても、店は閉じないのに。 勿論唯がそんなことを心配しているわけもなく、 ただはしゃいでいるだけなのは、十も承知だ。 澪「……良かった」 店の中に入る前に、呟く。 唯が店の中から手を振っているので、 私も小走りで店の中へ入る。 唯がこの状態になるまで、半月はゆうにかかった。 ‐雑貨店‐ 所狭しと、様々な品物が並んだ雑貨店だ。 店内の雰囲気は統一されておらず、雑多な印象を覚える。 クリーム色の壁は、どんな品物にもマッチするように選択されたのだと思う。 唯は奇妙なぬいぐるみを両手で持ち上げた。 そしてそれを、私の前に突きつけてきた。 唯「ねえ、これ可愛くないかな?」 唯、それはやめておきなさい。 そして私が率直な感想を言うと、唯はえー、と落胆した声を発した。 こんな具合で、唯の部屋のぬいぐるみは選別されてきたのだと、 なんとなく理解できた。 唯が渋々ぬいぐるみを棚に戻すと、 その隣に可愛いクマのぬいぐるみがあった。 私はそれを手に取った。 澪「こっちなんてどうかな?」 唯「おお、こっちも可愛い!でも、澪ちゃんが選んでも意味無いんじゃない?」 澪「まあ確かに」 それもそうだ。これはプレゼント交換のために持ち寄る、 プレゼントを選ぶ買い物のはずだった。 この場では、唯のセンスに任せるべきだったかもしれない。 エキセントリックが過ぎるプレゼントも、困りものではあるけど。 例えば、海苔とか。 私は手にしたぬいぐるみを棚に戻そうとしたところで、 ふと思い止まった。 澪「そうだ、これは唯へのプレゼントにするよ」 唯「えっ?」 澪「恋人同士なんだし、別にプレゼントを用意しても、 おかしなことじゃないだろ?」 唯はきょとんとしてしまった。 なにか、おかしかっただろうか。 思い返しても、特にそんな部分は思い当たらない。 突然、唯が小さく吹き出した。 澪「えっ、えっ?なにかおかしかったか?」 戸惑う私を包み込むように、唯は笑みを浮かべた。 唯「……澪ちゃん、最近恥ずかしがらずに“恋人”って言えるようになったよね。 こんな店の中、誰が聞いているのかわからないのに」 再び、思い返してみる。ああ、確かに言っていた。 思いだすと、何故だろう、とても恥ずかしい気がしてくる。 私の顔が火を吹いた。 唯「あちゃー、オーバーヒートしちゃったよ」 唯はたまに痛い部分を、一瞬で突いてくる。 違うんだよ、唯。ここはお店でも、お客さんがいないから言えただけで。 いたとしても、他人に聞こえない程度の声で喋ってるつもりなんだよ。 そんな言い訳も、段々苦しいものに聞こえてきた。 そう。私は既に恋人という言葉で、いちいち照れなくなっている。 意識して言うと、まだまだだけど、無意識下ならば可能だ。 いつからこうなったかといえば、やはりきっかけはあの事件だったと思う。 壊れてしまいそうな、繊細なガラス細工にも似た、 美しくも脆い女子高生一人の精神を、私は支えると決めた。 この言葉一つで、私にはその義務があると思っている。 だからこそ、照れるわけにはいかない。 ……まだ、ちょっと至らない部分があるけれど。 【Yi-side】 ‐外‐ 最近、澪ちゃんが頑張っている気がします。 私たちはアーケード街をあとにし、小さな道路を歩いていました。 両側にはしばらく先まで住宅が並んでいました。 澪ちゃんは兼ねてより努力家ではありますが、 最近の澪ちゃんの頑張り様は少し、それが過ぎているような気もします。 原因ははっきりしていました。私です。 澪「唯、どうした?」 澪ちゃんはこちらへ顔を向け、私に心配そうに尋ねました。 そう、まさに、こんな感じ。 唯「ううん、何でもないよ!」 明るく振舞って、誤魔化しました。 澪ちゃんはそうか、と言って正面に向き直りました。 あずにゃんが部活を退部してから一ヶ月近く。 初めこそ、軽音部は重く湿った空気がのしかかっていましたが、 今となってはそこそこ回復出来ています。 勿論、あずにゃんを部活に戻そうとする努力も、惜しんでいません。 しかしあずにゃんの決心は固く、 再び部活に戻る必要は無いとまで言い切りました。 “必要ない”とまで言われ、軽音部は茫然としてしまいました。 ただし、私以外の人が。私はその言葉の意味を、知っていました。 あずにゃんは今年度で此処を去ってしまうのです。 * * * “一年間だけ人間世界での生活をすることになったんです。” あの時のあずにゃんの言葉が、今になって現実味を帯びてきました。 そして、きっとあずにゃんは今戻っても、すぐに自分はいなくなるのだから、 戻る必要は無いと言ったのでしょう。 唯「ねえ、澪ちゃん」 澪「どうした?」 唯「もし私があと数ヵ月の命だとして、なにに対しても無気力になるのは、 間違ってることなのかな」 澪ちゃんは突然、私の両肩を掴んできました。 澪「やめてくれ」 唯「もしもの話だよ~」 澪「唯」 澪ちゃんは私の目を、睨んできました。 瞬間、私の身体が震え上がりました。 唯「……ごめんね。じゃあ、違う例え話にしよっか。 私が数ヵ月後、どこか遠い国に旅立つとして」 澪「それまでの間、私は唯と楽しむ。全力で、その期間を」 質問するまでもありませんでした。 澪「唯が望む限り、一緒にいる。唯が望まなくても、一緒にいたい」 唯「……それってちょっとストーカーっぽいね」 澪「え……、えっ!?」 澪ちゃんがみるみる顔を赤く染めているのを見て、 私はけたけたと笑いました。 唯「冗談だよ?」 澪「そ、そうだよな、冗談、だよな」 唯「うん、大丈夫。澪ちゃんは良い子だから、ちゃんとしてるから」 私は小走りで澪ちゃんの前に行き、振り返りました。 澪ちゃんは正面の私の顔を、ぽかんと眺めていました。 唯「澪ちゃん、私決めたよ」 澪「なにを?」 唯「やっぱりクリスマスパーティーには、あずにゃんも呼ぼう!」 【Az-side】 ‐鈴木宅‐ ‐純の部屋‐ 散らかり放題で、まるで無秩序な床。 お気に入りのベースの周りだけは、綺麗に保ってあります。 そんな部屋の、白に塗られた天井。 純「梓」 寝転がりながらそれを眺めていると、純の声が聞こえました。 梓「なに?」 純「澪先輩から私の携帯に、あんた宛てのメールが来たよ」 私は起き上がり、純の方へ顔を向けました。 梓「……見ないとダメ?」 純「ダメに決まってるでしょう、が!」 純は言葉を言い切る瞬間、私に自分の携帯を投げてきました。 私は慌てて、それをキャッチしました。ナイスキャッチ。 純「いい加減、居候生活も止めろってメールかもね」 梓「それはあんたの言いたいことでしょ」 純「こら、私は受け入れた側の人間なんだけど?」 純は溜め息を吐きました。 ……私は軽音部を止めたあの日に、平沢家を出ました。 部活を辞めておいて、どうしてそこにいることが出来るでしょうか。 とはいえ、寄る辺ない身であった私。 当然、屋根のある生活など期待していませんでした。 猫の姿に戻って、猫として最後まで生きていようかとも思って、 路頭を彷徨っていました。 そこで、純に出会いました。 純の計らいで、私は単なる一匹の猫として、 鈴木家に迎え入れられました。 そればかりでなく、純は私が学校にも行けるようにもしてくれました。 教科書は全て学校に移しました。 制服は朝、純が鞄に入れて持っていきます。 そして家の外のどこか着替えられる場所まで私を連れていき、 そこで着替えさせるようにしてくれました。 なにも問題なく、学校に通うことは出来るようになりました。 梓「受け入れたといっても、私の正体を知ってるんでしょ」 純「不幸を呼ぶ黒猫のこと?」 純は鼻で笑いました。むかつく。 純「あとたった数ヵ月ぐらいの不幸なら、私が引き受けても良いよ」 梓「そう……」 純「それは唯先輩も同じだったと思うけどね。当然、憂だって」 私は言葉に詰まってしまいました。 純は、私の手元へ指を差しました。握られた携帯がありました。 純「そのメール読んで、しばらく考えな。 ちょっと私は出掛けてくる用事があるから」 そう言うと純は背中越しに手を振りながら、 部屋をあとにしていきました。 私は握られた携帯の画面に、目を向けました。 そのメールの文面を凝視しました。 澪先輩と、唯先輩からのパーティーへのお誘いでした。 梓「……まだ、私を見てくれているんですね、先輩……」 眼から溢れた雫が、一筋に頬を伝いました。 【Yi-side】 ‐外‐ 澪ちゃんと別れ、私は一人、近所の公園のベンチに座り込んでいました。 小さな公園で、小さな砂場と小さな滑り台しかありません。 周りの植えられた木々は、既に枝だけとなっていて、疎らでした。 ここは昔、私や憂や和ちゃんの遊び場でした。 今となってはもう、利用することは殆ど無くなってしまいました。 ベンチに座りながら、足をばたばた動かしながら待っていると、 公園に入ってくる人影がありました。 私はその人の名前を呼んで、こちらへ来るよう手招きをしました。 その人は言う通りにこちらへ近づき、私の隣に座りました。 唯「ごめんねえ、純ちゃん」 純「良いですよ、時間も有り余ってましたし」 唯「そっか」 純ちゃんは羽織っていた茶色のコートのポケットから、 缶コーヒーを取り出し、蓋を開けました。 純「寒い季節には、これですよ」 純ちゃんがそのコーヒーを呷りました。 それを見て、悪戯心が働かないわけがありません。 私は純ちゃんの横っ腹をつつきました。 すると純ちゃんは、見事にコーヒーを吹き出してしまいました。 私はそれを見て、けたけたと笑いました。 唯「純ちゃんもったいないよー」 純「唯先輩が言います!?」 * * * せめてものお詫びにと思い、 近くの自販機でホットコーヒーを二人分買ってから、 再びベンチに二人で座りました。 缶を両手で包み、暖をとりながら、私は話を切り出しました。 唯「あずにゃんの様子、どうかな」 純「憂からある程度は聞いてないんですか?」 唯「クラスじゃ変わりない、とは聞いたよ」 純「そうですね。まあ不幸を呼ぶ力も、その程度だということです。 学校で同じクラスにいようと、簡単に大きな不幸が訪れたりしません」 唯「それは」 部活でも、同じことだよね。 そう聞こうとした私は、咄嗟に口を閉ざしました。 それを聞いて、一体なにになるのでしょうか。 私も純ちゃんも顔を正面に向けたままでした。 横目に純ちゃんの横顔を見ると、純ちゃんは遠くを見ているようでした。 純「……家でも、普通です。家族の間での扱いは猫ですが」 唯「うん、かくまってくれてありがとう。 純ちゃんの素早い判断と行動のおかげで、あずにゃんは学校に通えてるんだよね」 私は自分の言ったことに、かぶりを振りました。 唯「……ううん、それとも」 私はベンチに座りながら、地面を蹴りました。 土が抉れる音が聞こえました。 唯「こうなった時の準備ならとっくにしてた、って言った方がいいのかな?」 純「……」 唯「意地悪だよね。ごめんね」 横目で見た純ちゃんの表情が、曇りました。 純ちゃんは文化祭で怪盗レインボーとして、暴れ回っていました。 その正体を知る者は限られていますが、 さらにその最大の目的を知っているのは、私一人になります。 いわば、虹を越えた色を盗むという最終目標。 “あずにゃんを私から引き離す。” 怪盗の最後の目標である“黒色”はあずにゃんでした。 私にあずにゃんが不幸を呼ぶ天使であることを伝えた上で、 そのリスクを回避するために、あずにゃんと私を引き離そうとしていたのです。 ただ、それは私が必要ないと言って、断りました。 あずにゃんが不幸を呼ぶといっても、 あずにゃんはそれ以上の幸福を連れて来てくれたのですから。 だから、問題なかったのです。 純「こんな場合は想定していません。勘違いしないでください」 純ちゃんの声は、震えていました。 唯「……」 そう、問題は別の形で起きてしまいました。 私は自分の中でしか、その問題を解決できていなかったのです。 あずにゃんの中にも、それは堆積していたにも関わらず。 自分を隠してまで、今まで過ごしてきた理由は? もしその秘密を、私が既に知っていたと知れば、どうなる? ちょっと考えれば思いつくような疑問点を、私は見ていませんでした。 私はあずにゃんの気持ちをわかっている気でいました。 でも、全然わかっていませんでした。全然。 そして、その結果として、 唯「……そうだね。想定とはまるで“逆”のことが起きたんだから」 私があずにゃんから離れるのではなく、 あずにゃんが私から離れてしまったのです。 * * * 唯「ねえ、純ちゃん」 純「すみません、ちょっと待ってください。 今からこの空き缶をあのゴミ籠にシュートするんで」 そう言って、純ちゃんは空っぽの缶を右手で持ち、構えました。 片目を瞑り、狙いを定めて……シュート。 勢いよくなげられた空き缶はほぼまっすぐの軌道を描きながら、 緑色の鉄製ゴミ籠の縁にあたって、そして、地面に落ちました。 純「惜しい!」 唯「……よーし、次は私の番だよ!」 残りのコーヒーを一気飲みして、さっきの純ちゃんのように構えました。 私も片目を瞑って、狙いを定めて。 シュート、というところで純ちゃんが突然脇の下をつついてきました。 くすぐったくなって、私の身体がぶるっと震えると、 その拍子に手から空き缶が離れてしまいました。 唯「あー!」 純「お返しですよ」 唯「ひ、酷いよ純ちゃん!」 かこーん。缶が、鉄製の何かにあたった音が響きました。 見ると、ゴミ籠の中に私の投げた缶が入っていました。 私は目を丸くしました。わーお。 唯「……ふふーん」 私はドヤ顔を浮かべながら、純ちゃんの方へ顔を向けました。 どうだい純ちゃん。これが私の実力ってもんだよ。 そんなことを思っていると、純ちゃんは前に自分で買ったコーヒーの空き缶を構えて、 シュート……放物線を描き、そして籠にイン。わーお。 純「あれ、唯先輩。どうしてそんな得意気な顔してるんですか? なにか嬉しいことでもありましたか?」 純ちゃん、キミは意外とサディスティックだね。 純「……そうですね。唯先輩はその顔が一番です」 唯「えっ?」 純「大方、ここへ私を呼び出したのは、梓の近況報告に加えて、 梓をなにがなんでもパーティーに連れてくるよう協力を頼みたかったんでしょう?」 見透かされていました。 純「頼まれなくても、そうするつもりでしたよ。 ですから唯先輩。あなたはその顔で、梓を迎えてあげてください」 ……純ちゃん。 純「はい?」 唯「純ちゃんは、意外と気がきくんだね」 意外ってなんですかー。 口調は怒ったような純ちゃんの顔は、とても和やかでした。 36
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ステータス 初期値 LvMAX スコア 71 1296 スキル縦ライン状にすべてのぷちぐるをつなげるよ 必要ぷち数 22 22 効果範囲 S- LL- 特技ラストボーナス中に獲得スコアが増えるよ 発動確率 5.0% 100.0% 効果 20.0% 50.0% スキルLv 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 必要ぷち数 22(変化なし) 効果範囲 S- S S+ M- M M+ L- L L+ LL- 必要スキルExp - 1 1 2 3 4 5 6 8 10 (累計) 1 2 3 5 8 12 17 23 31 41 入手方法 ガチャで入手 【えらべるチケット】(それは僕たちの奇跡)と交換 解説 スキルの基本的な使い方に関しては、「スキル 特技」内の解説項目を参照。 必要ぷち数は22とかなり少ない分、効果範囲も狭い。 スキルLv1ではつながりが11個未満となる事が多く、ボムの生成を期待するのならばある程度のスキルLvが必要となる。 ボイス パズル開始 パズル開始です♪ パズル終了 パズル終了です♪ ショータイム ショータイム!? スキル こっちです♪ 特技 助けに来ました! ミッションクリア やりました!
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GENRE TITLE ARTIST bpm notes CLEAR RATE Hi-歌謡コア それは花火のような恋 夏色バーニングラブ☆Prim 182 1321 55%(2015/06/18) 攻略・コメント かなりの体力譜面。休憩らしい休憩も無いので☆10挑戦段階ではかなりキツいかと -- 名無しさん (2015-06-18 18 25 50) ☆10下~中位程度の乱打が延々と続く。極端な殺しや発狂はないので地力譜面か。 -- 名無しさん (2015-06-18 18 35 58) サビの部分では乱打中に嫌らしいタイミングで皿が絡んでくるため難やEXHでは鬱陶しく感じるかもしれない。基本的には平坦な譜面だがラスト手前の対称二重トリルには注意。 -- 名無しさん (2015-06-18 19 20 28) レートが低めなのはラストの対称のせい?地力があればハードの方がおそらく楽 -- 名無しさん (2015-08-01 00 04 22) ラストが難しめだからノマゲとハードの難易度はほぼ同じかと -- 名無しさん (2015-08-10 07 54 37) サビ前から16分配置や皿複合が増えて難しくなり始めるので、ハードは1300超えの物量に対して許容BPが少ない(33で6%だった) 対称トリルの頃にはかなり疲れてるはずなので、無理そうならここは潔くあんみつしてしまおう 発狂は無いものの☆10内では結構難しめ -- 名無しさん (2019-07-05 20 59 03) 2P正規、BP21でギリギリエクハ点きました。全体的に取りこぼししやすい、または空打ちを誘うような配置で最初から最後まで油断できない。皿複合も皿に意識が行きすぎると一番とかポロポロと溢したりと本当に恐かった。ラストの対称トリル抜けてからも油断出来ない配置。 -- 名無しさん (2022-07-02 13 59 24) 2PR乱でEXH。16分のパートは全体的に階段が多いので乱かけたくなるけど、何度か降ってくる小トリルやラス前の二重トリルが運ゲーになるので正規鏡が無理でもR乱までが無難だと思った。 -- 名無しさん (2022-08-09 13 55 21) 名前 コメント
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概要 【ヴェリナード城】?の外伝クエスト。ドラクエ10発売前から公式サイトで紹介されていたクエストでもある。 慣わしを破って男の王となる事を決めた【オーディス王子】だが、男であるオーディス王子が恵みの歌を唄っても何の効果ももたらさない。 恵みの歌はかつては育みの歌として歌われていたもので女王の歌として分けられたものであるという。 オーディス王子は【セーリア】の父であり、歴史上最後の男王である【ラーディス王】が遺したものを頼りに、男王の歌【導きの歌】?の手掛かりを求める事になる。 「誰がために」の読み方は「たがために」。 クエスト一覧 話 タイトル 第1話 【唄う王子】? 第2話 【王子の挑戦】? 第3話 【第四の詩歌】? 第4話 【瀑布の女王】? 第5話 【そのために生きた】?
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それは舞い散る桜のように メーカー BasiL 発売日 2002/6/28 ジャンル ADV カテゴリ 学園、恋愛、記憶喪失 原画 西又葵 シナリオ 王雀孫、あごバリア アーティスト 2G70、Nori、YURIA、spanky 評価
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かわいいくまをうたないで【登録タグ か ほぼ日P 初音ミク 曲】 作詞:ほぼ日P 作曲:ほぼ日P 編曲:ほぼ日P 唄:初音ミク 曲紹介 ほぼ日P の237作目。 全国で人里に降りてきたクマさん達が猟友会の皆さんに射殺されていることに心を痛めてインスパイアされました。(作者コメ転載) 今作では久しぶりにオタマトーンを使用している。 歌詞 クマは臆病な生き物です 森の中で平和に暮らしているのです クマは賢い動物です 争いごとは嫌いなのです クマは人間を怖れます 鈴を持って歩くのもそのためです クマは優しい動物です 子どもをとても可愛がります 人間たちが森を切り開いたから 山の奥の奥の方に追いやられた 人間たちが地球暑くさせたから 食べ物のドングリがなくなってしまった だから山を下りてきたのです 里に下りてきたのです 食べ物が欲しいだけなのです だから山に帰してあげて 殺すなんて可哀想 かわいいクマを撃たないで クマが生きるため仕方なく 里に下りてくるのは悲しいことです そんなクマたちを無慈悲にも 撃ち殺す人達がいるのです 人間たちが森に土足で入って 食べ物になる木を切ってしまった 人間たちがクマの森乱したのに 自分たちの都合で殺すのはおかしい 都会に暮らす私達の 夢を壊さないで 人間が引っ越せばいいんです 人を襲うことがあっても それは自然の摂理 かわいいクマを撃たないで コメント この歌詞に同感できる所が多いです。 -- 名無しさん (2010-11-30 21 09 40) 安全圏に住んでる人のきれいごとだよね。 -- 名無しさん (2010-12-01 09 40 51) 愛護団体への皮肉なのか本気でそう思っているのかわからない所がいい -- 名無しさん (2010-12-03 22 52 55) 歌の大部分が動物愛護のキレイごとで語られ、最後に強烈なエゴが語られるwカタルシスが半端ないw -- 名無しさん (2011-09-12 16 51 07) 『羆嵐』を読んでから作詞して欲しかった -- 名無しさん (2011-11-29 22 13 57) 「都会に暮らす私達の夢を壊さないで」←ひとことで全部ひっくり返すほぼ日pすげぇ…… -- 名無しさん (2012-06-29 15 11 08) ほぼ日pサイコーです。動物もかわいそうですよね。 -- 美影 (2012-06-29 16 01 31) ほぼ日さんの皮肉が好きです!都会に暮らす私達の 夢を壊さないで wwwww -- 名無しさん (2012-09-02 13 02 38) クマに同情できる曲w -- 風華 (2013-05-19 22 40 43) 猪熊柔のこと? -- 名無しさん (2013-11-03 10 07 52) くまモンを暗に批判してる? -- 名無しさん (2013-11-23 02 22 24) イルカは殺していいがクマは撃つなという滑稽 -- 名無しさん (2014-01-26 15 08 39) 熊を撃つのって、シマウマを守るためとか言ってライオンを撃つのと同じなんだよね。どっちも、突き詰めれば人間本位。 -- さぁ (2014-02-11 16 55 37) クマを撃つなって、食べられてる魚を無視ししてクジラを守れっていうのと同じなんだよね。どっちも、突き詰めれば人間本位。 -- そぉ (2014-05-16 08 13 56) 泣いた。 -- まへら (2014-05-16 16 50 00) 安定の思考回路 -- (^^) (2014-07-16 18 17 38) 「動物には愛情を持って接しなさい」とか「子供は3人以上が健全」とか、政治家はおせっかいが好きだな -- 名無しさん (2014-08-31 21 57 21) 名前 コメント
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梓「来年だってクリスマスには帰って来いって言われるかもしれないし、再来年だってそうです。もういい加減私は子供じゃないってわからせてあげたいです」 唯「あずにゃんのことが大切なんだよ。お母さんの声、凄く悲しそうだったよ」 梓「唯先輩が私の母親だったらクリスマスイヴに私と一緒に過ごしたいですか」 唯「……その質問、意味ないよ」 梓「どうしてですか」 唯「だってさ……だって、私はいつだってあずにゃんと一緒にいたいもん。私がどんな立場にあったとしてもきっとそう思うに違いないよ」 梓「……確かに意味のない質問でしたね」 唯「あずにゃんは?」 梓「えっ?」 唯「私と一緒にイヴを過ごしたい?」 梓「……見ての通りですよ」 唯「あずにゃんも誘惑に弱いタイプだったんだね」 梓「ただ唯先輩に勉強を教えてほしかっただけです」 唯「よーし、今夜は寝かさないぞー」 梓「それよりちょっと眠くなってきたのでベッド借りてもいいですか」 唯「いいよー。よいしょっと」 梓「唯先輩もですか」 唯「ダメ?」 梓「いいんじゃないですか?」 唯「ありがとー」 梓「なんだか眠気が覚めてきました」 唯「私のせい?」 梓「いえ」 唯「ごめんね、離れた方がいいかな」 梓「いえ」 唯「あずにゃん?」 梓「ごめんなさい、わがままで」 唯「いいんだよ。……ねぇ」 梓「何ですか」 唯「憂はいつ頃帰って来るのかな」 梓「40~50分後だと思います」 唯「そっか。……」 梓「……」 ――――― 梓「2月22日。猫の日。 スーパーを出て平沢家の方へと歩き出す。 私と純と憂の3人は無事N女子大に合格し、今日は先輩達が合格祝いをしてくれるそうだ。憂の誕生日祝いも兼ねて。 お祝い事だと大抵料理をするのは憂だが、今日はさすがにさせるわけにはいかず、律先輩達がごちそうを振舞ってくれるそうだ。 憂は純の家に待機している。誕生日祝いに関しては憂に秘密にしているからだ。バレてるとは思うけど。 私も純の家で待つように言われたものの、手伝わせてほしいと先輩達に頼みこんで、今こうして買い物袋を抱えている。 隣を歩く唯先輩に卵を割らないように気をつけてくださいと注意する」 唯「大丈夫だよ~。雑誌で見た通りの袋詰めをしたから割れる心配はないよ」 梓「いくら綺麗に袋詰めしても、転んだり落としたりしたらどうにもならないですよ」 唯「私はそんなドジっ子じゃないよ~。いくつだと思ってるの?」 梓「19……なんですね」 唯「そうだよ。大学生なんだよ。春休みが2ヶ月近くあるんだよ」 梓「私達だってもう春休みに入ったみたいなものですよ」 唯「そうだね~。一年前のこの時期はあれもしたいこれもしたいで頭がパンクしそうだったよ」 梓「私もです。やっと気が晴れましたからね」 唯「でも、気を抜いて羽目外しすぎちゃ駄目だよ。最悪もう一年軽音部部長をやることになっちゃうから」 梓「あ、それもいいかもですね」 唯「わ、私は早くあずにゃんと一緒にギターを弾きたいな~」 梓「冗談ですよ。軽音部はあの子達に任せます」 唯「あの子達に会うのは今日が二度目だよね。学園祭以来」 梓「どうですか、あの子達の印象は。さっき話してたみたいですけど」 唯「う~ん、何て言うのかな。二回しか会ってないのに昔からの友達みたいな……そんな感じ」 梓「よくわかんないですね」 唯「つまりね、軽音部の匂いがするってことだよ!」 梓「はぁ」 唯「傍にいるだけでおしゃべりしたくなるような、一緒に演奏したくなるような、遊びに行きたくなるような。そういう不思議な香りがしたよ」 梓「そうなんでしょうか」 唯「あずにゃんが私達の遺産を綿々と引き継いでくれたおかげだね~」 梓「そんなつもりはないですけど」 唯「じゃあさわちゃんのおかげ?」 梓「たぶんそうです」 唯「それにあの二人仲いいよねー。ええと……」 梓「ドラ美と鍵子です」 唯「そうそう。一見すると正反対なのになぜかウマが合うみたいだね」 梓「先輩達4人もそんな感じに見えますよ。バラバラなのになぜかぴったりハマる関係」 唯「そうかな?」 梓「そうだと思います」 唯「私達はいつの間にやら仲良くなってたけど、ドラ美ちゃんと鍵子ちゃんはどうやって仲良くなったの?」 梓「あの二人は元は話すことすらほとんどなかったですね。ドラ美は憂に懐いてました。生意気な鍵子は私や純が手を焼いてました。二人がお互いを認め合うようになった転機は学園祭だったと思います」 唯「ライブをやってから?」 梓「はい。大舞台で音を合わせて初めて見えたものがあったんじゃないでしょうか。根本的に似てるところがある二人ですからね」 唯「そうなの? どこが似てるの?」 梓「自信のなさ、でしょうか」 唯「鍵子ちゃんとか自信満々に見えたけどねぇ」 梓「虚勢を張ってたんですよ。あの子、本当は澪先輩以上に憶病なんですよ」 唯「そうなんだ」 梓「なのにそんな素振りを周囲に見せようとはしなかった、というより見せられる相手がいなかったんですよ。一人でピアノを弾いてましたから。私も昔は一人でギターを弾いてましたから、あの子の気持ちはよくわかりました。でも言葉で解決できるような話でもないので敢えて口出しすることはありませんでした」 唯「鍵子ちゃんも、ちゃんと見つけられたんだね。弱さを見せられる人が」 梓「はい。ドラ美も、鍵子の今まで見たことない姿を見て目を見開いてました。きっと自分を見てるような気分だったんだと思います」 唯「ライブの、ほんの数分で変わるものなんだね」 梓「アンコールも事前に打合せしてなかったのに、あの子達がお互いアイコンタクトをとって弾き始めましたからね」 唯「羨ましい関係だね」 梓「そうですね」 唯「来年以降も楽しみだ」 梓「ええ、きっと仲良くやっていくと信じてます」 唯「あ、仔猫ちゃん。かーわいー」 梓「そうですね」 唯「デートかな?」 梓「あれ2匹とも雌ですよ。姉妹か何かじゃないですか?」 唯「へー。確かに長年寄り添ってるみたいなオーラが出てるね」 梓「唯先輩と憂みたいです」 唯「そうかなぁ? おっと危ない」 梓「大きい方が危なっかしいのもそっくりじゃないですか?」 唯「え~? あ、なんか大きい子が小さい子に説教されてるみたい」 梓「気のせいですよ」 唯「『もう、しっかりしてください。危うく塀からまっさかさまですよ。ブルドッグの餌になりたいんですか? お喋りなら後で好きなだけできるんですから、今はちゃんと前を向いて歩いてください』」 梓「なんで敬語なんですか」 唯「なんとなく」 梓「まぁ小さい方もちょっと鈍臭そうですから憂には似てませんね」 唯「猫にしては随分恐る恐る塀の上を歩いてるもんね、二匹共」 梓「これから家に帰る所なんでしょうか」 唯「うーん、私の勘ではこれから二人の秘密基地に向かうところなんだよ。あ、裏道に入っちゃった」 梓「って追いかけるんですか。皆さん待ってますよ」 唯「ちょっとだけだから。ね、お願い」 梓「はぁ、しょうがないですね。ちょっとだけですよ」 唯「確かこのへんに……」 梓「こんな道あったんですね。知らなかったです」 唯「誰にも邪魔されない秘密基地を作るにはぴったりの場所だねー」 梓「どういう猫ですか。そんな秘め事抱えている仔猫がいるわけな……」 唯「あ、向こうから鳴き声が聞こえたよ」 梓「ゆ、唯先輩! 待ってください!!」 唯「みーつけた! 突撃!隣の……」 梓「あ……」 唯「……あ、あれってもしかしてエッ…」 梓「こ、交尾です」 唯「う、うん」 梓「交尾です」 唯「うん、わかったから」 梓「……もどり、ましょうか」 唯「うん……そうだね……」 梓「……さ、皆さん待ちくたびれてますよ。行きましょう」 唯「……うん。……あずにゃん」 梓「何です?」 唯「女の子と交尾したことってある?」 梓「な、何を言うんですか。私は人間ですよ!」 唯「あ、私は憂とああいうことしてないからね。念のため言っとくけど」 梓「わかってますよ!」 唯「もしかして猫同士ならああいうのも普通なのかな」 梓「さぁ、わかりません。発情期に身近な所にオスがいないとああなっちゃうんじゃないですか」 唯「好き同士だからやってるってわけじゃないのかな」 梓「さ、さぁ、どうなんでしょう。あの子たちは好き同士に見えましたけど」 唯「でも子供を作れるわけじゃないよね」 梓「そうですね……」 唯「じゃあただの遊び、なのかな」 梓「……そう考えるとちょっと辛いですね。いや、単なる猫のじゃれ合いですよ? 難しく考えなくてもいいじゃないですか」 唯「あの子たち、ああいう誰にも見られないような場所じゃなきゃくっつけないのかな?」 梓「猫社会がどうなっているかなんて私にはわからないです。でも、人間社会より厳しいのかもしれませんよ。動物は命を繋ぐことを何よりも優先して生きていますからね」 唯「何も残せないなら、生きる意味なんてないのかな」 梓「もうこの話はやめましょう。せっかくのお祝いが台無しになっちゃいます」 唯「うん、そうだよね。さっきのことは私とあずにゃんの秘密ね」 梓「ええ、わざわざ引っ張り出すことはないですよ。心の奥深くに鍵をかけてそっとしておくのが一番です」 唯「そうだね。よーし、景気付けに歌でもうたおーっ!」 梓「もう唯先輩の家に着きますよ」 唯「あ、ほんとだ」 梓「もう、しっかりしてください」 唯「ごめん、しゃべるのに夢中で周りが見えなくなってたよ。じゃ、あずにゃん。その袋貸して」 梓「どうしてですか?」 唯「あずにゃんのお仕事はここまで。主役の一人に事前に料理や飾りつけを見せるのはちょっとね。悪いけど純ちゃんの家に行っててくれない?」 梓「それならしょうがないですね。はい、落とさないでくださいよ」 唯「おわっ、重い」 梓「気をつけてくださいよ。卵を割らないように」 唯「大丈夫。待っててね。盛大に祝ってあげるから」 梓「いいからちゃんと前を向いて歩いてください。楽しみに待ってますから」 唯「うん。じゃあまた後でね、あずにゃん」 梓「がんばってください」 ――――― 梓「星がきれいな春の夜。 明日から4月になるというのに空気はひんやりとしている。マフラーを口元まで上げる。 手を擦りながら待ち合わせ場所の公園へと向かう。手袋も着けてくればよかった。 こんなに身体が震えるのは親に黙って家を抜け出したことから来る罪悪感のせいかもしれない。 親鳥が18年もの間、風通しはいいけど頑丈で、愛情に満ち溢れた巣を作り上げてきたというのに、 ひな鳥は親鳥の苦労も何のその、うきうきしながら遠い土地へ飛び立とうとしている。 おまけに旅立つ前夜に深夜徘徊。とんだ親不孝者がいたものだ。 公園のベンチには明日から隣人となる人物が既に座っていた。待たせちゃったかな」 梓「お待たせしました、唯先輩」 唯「あずにゃん。私も今来たとこ」 梓「嘘ですよね。手もほっぺも真っ赤ですよ」 唯「こんな時間に呼び出しといて遅れるのもなんだしね」 梓「いいですよ。私も今夜は散歩したい気分でしたから」 唯「うそ」 梓「本当です。最近は入学準備とか引っ越しとかで忙しかったですからね。のんびり街を歩くことも滅多にありませんでした」 唯「この町にお別れを言う時間もなかったってことだね」 梓「そうですね」 唯「じゃ、行こっ。まずは商店街に」 梓「このお店……」 唯「私、ここのアイス全種類食べたことあるよ」 梓「私は4種類くらいしか食べたことないです」 唯「放課後はよくみんなで寄ったねぇ」 梓「このお店、今度潰れるそうです」 唯「そうなの?」 梓「はい」 唯「寂しくなるなぁ」 梓「思い出の場所がなくなるのは辛いですね」 唯「私はこのお店のアイスの味、一生忘れないよ」 梓「48種類すべてですか」 唯「うーん、10種類くらいが限界かな」 梓「まぁそうですよね」 唯「そこのコンビニにも度々寄ったね」 梓「お小遣いの無駄遣いでしたね」 唯「青春の有効活用だよ」 梓「はぁ」 唯「あずにゃん部長だって、毎日部員を連れて押し掛けたんでしょ?」 梓「毎日じゃありません。私達は唯先輩達みたいに放課後遊び回っていたわけじゃないですから」 唯「お堅いねぇ」 梓「普通です」 唯「あっ」 梓「あそこの洋服屋は唯先輩お気に入りのお店でしたね」 唯「あずにゃんだってたくさん買ってたじゃん」 梓「憂に勧められたからです」 唯「ふーん。おっ」 10
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ガチャ 憂「お姉ちゃん、そろそろ起きなよ」 憂「冬休みだからってあんまりだらけて 憂「おぁああああ ゴキブリっ!?」 梓「ひっ、ゴキブリ!?」 ひしっ 憂「お前だよ!!」 唯「ぐぇ、放して!」 憂「お姉ちゃんどいて!そいつ殺せない!」 梓「待って憂!落ち着いて!」 憂「なんで下着姿なの!?」 唯「いつの間に脱いでたの!?」 梓「違うの!これは唯先輩に誘われて!」 唯「誘うか!!」 憂「いいから離れて!出てって!成仏して!」 ブォン 梓「うぉっ!?」 唯「ギー太!?」 梓「唯先輩、私のことはいいから逃げて下さい!」 唯「ギー太が心配なんだってば!」 唯「せめてそっちのギターケースを使ってよ!」 梓「私を見捨てるんですか!?」 唯「拾ってない!」 憂「梓ちゃん、覚悟して!」 憂「じゃなかった、死ねゴキブリ!」 唯「ギー太ぁ!」 梓「にゃあああああああ!?」 唯「危なくギー太を木っ端みじんにされるところだった」 憂「ごめんね、喋るゴキブリに驚いちゃって」 梓「ひどい言われようですね」 唯「仕方ないでしょ」 梓「下着姿で土下座って興奮しますね」 唯「そっちは大丈夫なの?(頭が)」 梓「胸がクッションになって無事でした」 唯「それクッション性あるの?」 梓「かろうじて致命傷で済みました」 唯「大丈夫そうだね」 憂「お姉ちゃんは大丈夫だったの?」 憂「下は? 下は大丈夫なの!?」 唯「下下言わないで」 唯「被疑者はガマンしたって供述してたから、たぶん……」 梓「私を信用してないんですか!?」 憂「できるか!」 憂「そんな犬畜生にも劣るケダモノの話を真に受けちゃダメだからね」 梓「犬畜生!?」 唯「それ最近の女子高生に流行ってるワードなの?」 憂「私だってお姉ちゃんの無防備な寝顔に我慢し続ける自信がないのに、 その本能に従順忠実そうなケダモノが何もしてこないわけないでしょ?」 梓「唯先輩、妹と同居してて身の危険を感じたことないんですか」 唯「同居すらしてない危険人物に言われたくないんだけど……」 憂「物理的に死ぬのと社会的に死ぬのとどっちがいい?」 梓「なんでさっきから友達を殺したがるの!」 憂「たしかに友達 だった けど……」 梓「今は!?」 憂「何のペナルティもなく生かして返すわけにもいかないし」 梓「すでに何人か始末してそうな言い回しで……」 憂「梓ちゃんだって家にゴキブリが出たら叩き殺して放り出すでしょ?」 梓「唯先輩、助けてください」 梓「このままじゃエロ同人みたいに凌辱されちゃいますよ」 梓「エロ姉妹の性奴隷にされちゃいますよぉ」 唯「誰がエロ姉妹だって?」 憂「爪と歯を全部引き抜いて、お姉ちゃんに触れた部分の皮膚を引き剥がすのはどう?」 唯「拷問の手段を私に委ねないで」 憂「それとも指を1本ずつ切り落とす?」 唯「ギターが弾けなくなっちゃうね」 憂「あっ、切断する身体部位をルーレットで決めさせるのはどう?」 梓「妹さんは高利貸しの消費者金融にでも就職するんですか?」 唯「氷菓子……?」 梓「高利貸し」 唯「おいしいよね」 梓「えっ」 憂「どうやって忍び込んできたの?」 梓「実はセッションとセックスを間違えて」 唯「間違え方が異次元すぎる」 梓「でも2人でリズムを合わせて行うという点では同じだし……」 憂「それで私が納得すると思ったの?」 唯「だから侵入経路を聞いてるんだってば」 梓「侵入ってそんな大げさな」 梓「帰省中にちょっと会いに来ただけじゃないですか」 憂「帰省中に寄生虫が奇声を発しに来たの?」 憂「既成事実を作りに来たの?」 梓「結果的にそうなったかも知れないけど」 梓「そうじゃなくて、今の軽音部の話とかも聞いてもらおうと思って」 唯「また後輩に嫌われてるとかそういう話?」 憂「ああ……」 梓「あと新年の挨拶もしておこうと思って」 憂「梓ちゃんの頭が一番おめでたいよ」 梓「ていうか私、後輩に嫌われてるの?」 憂「未成年 ストーカー 刑罰 っと……」 梓「何の検索?」 憂「梓ちゃんの将来を占ってあげようと思って」 唯「どうだった?」 憂「未成年だと前科はつかないけど、更正施設とかに送られる可能性があるんだって」 梓「それってなに占い?」 唯「ストーキングって前科つかないんだ?」 憂「程度によるみたいだけどね」 梓「へえ、そうなんだ」 憂「他人事みたいに……」 梓「それは悪質なストーキングを繰り返すような犯罪者の話でしょ?」 唯「今まさに悪質なストーキングを受けてるんだけど」 梓「私が……?」 キョトン 唯「そんな借りてきたネコみたいな顔されても」 憂「そんな媚びた仕草でお姉ちゃんは騙せても私は騙されないからね」 唯「騙されてません」 憂「この毛玉吐き野郎」 唯「毛玉吐くの?」 梓「借りてきたネコの話ですよ」 唯「あずにゃんは2号のほうが可愛かったなあ」 梓「初代のほうが可愛いですよ」 梓「ギターだって弾けますし、お茶も汲めますし」 唯「2号に添い寝されたら幸せなのに」 梓「でも取っ組み合いになったら私が勝ちますし」 唯「他人の家のネコと?」 梓「2号を倒せば私だけを見てくれるんですね?」 唯「引く」 憂「友達の飼い猫と取っ組み合おうとしないで」 唯「そういうとこだよ」 憂「ノラ猫に威嚇されてびびってたくせに」 唯「ノラ猫にも嫌われてるの?」 梓「ノラ猫にも!?」 憂「じゃあそろそろ出頭しよっか」 唯「元気でね」 梓「ちょっと待って下さい、どうして私が性犯罪者だと言い切れるんですか」 憂「どうしても何も、現行犯でしょ」 唯「下着姿で正座させられながら言われても……」 梓「私は故意に唯先輩のベッドに潜り込んだんじゃなくて、間違っただけですから」 唯「間違ったって何が?」 憂「生き方を?」 梓「自分のベッドと」 唯「ムチャクチャすぎる」 梓「いいえ、絶対に寝ぼけてしまっただけです」 梓「寝ぼけあずにゃんです」 キリッ 唯「うわぁ、ちっとも可愛くない」 梓「故意性が証明されなければセーフなんですよ」 憂「セーフとか言い出す時点でアウトだよ」 梓「でも憂は私たちの関係を確かめようがないじゃない」 唯「へ?」 憂「あ?」 梓「憂に内緒で私と唯先輩が付き合っていたかも知れないし、 私が唯先輩に招き入れられて愛し合ってただけかも知れないでしょ?」 梓「憂は一方的に私を犯罪者呼ばわりするけど、どうやってそれを証明するの?」 唯「いや、だって私が」 梓「唯先輩、ここまできたら隠すことなんてないですよ」 梓「私たちの関係、憂にもはっきり伝えておきましょう」 唯「こいつにタンスから下着を盗まれました」 梓「そうでした」 憂「なんなの!?」 梓「でもよく考えたら私が盗んだって証拠は何ひとつないですよね」 憂「まだ寝ぼけてるみたいだから叩き起こしてあげようか」 唯「あずにゃんさあ」 唯「あんまり考えたくなかったんだけどさ」 梓「心配しなくても唯先輩が本命ですよ」 唯「それはどうでもいいんだけど」 梓「どうでも!?」 唯「その下着、ぜんぜんサイズ合ってないよね」 梓「きゃっ、そんなに人の身体を見つめないでください!」 唯「私のだよね、それ」 憂「お前……」 梓「心配しないでください、等価交換です」 唯「?」 梓「代わりに私の下着を置いておきました」 憂「脱げ!!」 梓「まさか唯先輩の目の前で下着を脱げと言われる日が来るとは……」 憂「私も思わなかったよ」 唯「目の前で脱がないで」 梓「あっ……」 唯「汚さないでよ!?」 梓「じゃあこの下着もらっても……」 唯「いいわけないでしょ」 梓「下だけでも」 唯「下も置いてって」 梓「あっ、私が着たやつだからですか?」 唯「私の下着だからだよ」 梓「私の下着はどうします?」 唯「いらないよ」 梓「唯先輩が使うんじゃないんですか?」 唯「自分のは持って帰ってください」 梓「私を素っ裸にして寒空の下に放り出すんですか」 唯「誰が目の前で全裸になれって言ったの」 梓「せっかくなので……」 唯「早く自分の服着て帰ってよ」 梓「じゃあ一旦帰りますね」 唯「ずっとだよ」 梓「唯先輩」 梓「どうして私がここに現れたか、本当にわからないんですか?」 唯「だからさっきから問いただしてるでしょ」 梓「どうして私が家の中に入り込めたのか」 梓「私の手がどうしてこんなに冷たくなっていたのか……」 唯「え?」 梓「本当に、ただ唯先輩に会いたくなっただけなんです」 梓「会いたくて、会いたくて、いても立ってもいられなくて」 梓「気が付いたら唯先輩の家の前で夜明けを待っていました」 梓「この吹雪の中、凍死するまで待ち続けていたんです」 唯「凍死?」 梓「もう死んじゃったんですよ、私」 梓「もう帰れる場所なんてないんです」 唯「あずにゃん……」 梓「まあ全部ウソですけど……」 唯「知ってるよ」 憂「帰れ!!」 梓「年末年始はこんな感じでした」 憂「そのあと滅茶苦茶セッションした」 純「通報しろ!!」 おわれ 戻る
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6 戸口から踵を返して、部屋へ戻ると、ソファの上のシラスがじっと低い天井を見上げていた。 「目、」 覚めたの。 問うとシラスはゆっくりと視線をボクにずらした。 「レイディ」 「うん?」 声も、少しかすれているけれど、いつもの落ち着いた低いものに戻っている。 「ちょっとこっちこい」 「な……なんだよ」 起き上がろうと見動いたシラスが顔をしかめる。 まだ自由に動けるほどは回復してないんだ。 そのことに気づいたボクは、呼んだシラスの傍らに寄った。 病人には逆らわないに限る、というのがボクの持論。 近付いたボクに手を伸ばして、シラスは急にぐい、とボクを引き寄せる。 「わ……ぶッ」 勢い、ボクは引かれるままに、寝ているシラスの胸元に崩れこんだ。 「鼻!鼻打った!」 硬い床ではないにしろ、顔面から突っ込んだ衝撃は、涙が滲むほどはある。 何するんだよ。 喚きかけたボクは、喚きかけた口の形のまま、声を失った。 「な……」 ボクの膝――ムドゥブとのダイブで、えらく擦り剥いていたそこ――に、シラスは手を伸ばして、何かブツブツと口の中で小さく呟いている。 赤剥けて、まだジクジクと血が染みているそこの痛みを、ボクはようよう思い出す。 ああ、そういやなんかヒリヒリしてたと思ったらこれか。 気を取られることがあまりに多すぎて、自分のコトにまったくもって気を回す余裕がなかったのだ。 その、擦り剥いた箇所へシラスが手を翳すと、 見下ろしている間に、血が止まって薄皮が張って、もうケガをしてから数日経ちました、ほどに回復してゆく。 魔物であるシラスが、どういう仕組みで魔法を使っているのかボクには判らないのだけれど、一般的に「白」魔法と呼ばれる、魔法介護士が使う「治癒魔法」とは違う経由で、シラスは傷を塞いでいるよう……なんである、詳しく調べてはないんだけれど。 「やめてよ、シラス、ボクなら大丈夫だよ」 手を翳していたシラスの額に、じっとりと汗が浮かんでいるのに気づいて、ボクは慌ててヤツの腕を押さえた。 たったこれだけのことだったのに、ヤツの呼吸はすっかり上がっていて、いかに赤縛のダメージが大きいのか、窺い知れる。 ち。 小さくシラスが舌打ちする。 思うように動かない体にイラついているのが判った。 「あー……そうだ!ほら、お粥!ほら、ボクお粥さん炊いたから。病人にはお粥ツキモノだし。食べるでしょ、シラス」 我ながら唐突だなぁとは思ったけど、何とかこの重苦っしい空気を打破しようと、ボクは底抜けに明るい声を出した。 「――粥かよ」 「なんだよ、お粥さんバカにすんなよ」 「病人にツキモノの食べ物なら、別にあるだろーが」 「え?何?」 聞きながらボクは引き攣った。 あれか。 「生気喰わせろ」っていう流れか。 ボクは珍しく敏感に察知して、思わず首筋を手で覆う。 普段なら、断固として拒否の構えを取るんだけど、こうして、さっきまで半分死にかけていた相手から頼まれるって言うのは、どんなにイヤなことでも、「イヤだ」と無下には断りにくい。 そもそも、赤縛でシラスは体力がかなり落ちているんだろうし、その場合、なにより傷んだ体を治すのは、きっと生気が有効なんだ――というのは、説明されなくてもボクにも判る。 なんせ、もともと魔物の栄養源な訳だし。 理屈は、判る。 だけど、やっぱりボクは痛いことをされるのは好きではなくて、それが例えばムドゥブやラントリアルではない、意思の疎通が少なからずできる、シラス相手であったとしても、 加減して食べてくれているというのは重々承知しているのだけれど、 だとしても、やっぱりボクは怖い。 でも。 どうしよう。 この場合、「痛いからイヤだ」で断るのは、ちょいと人道にもとるだろうか。 でも痛いのはイヤだし。 「……何を一人で百面相してるんだよ?」 本音と建前の板ばさみになってうんうん唸っているボクを、不思議そうに見上げて、シラスが首を傾げる。 「いや。シラスが言いたいことはよーーーく判るけど、ボクにもいろいろと覚悟って言うものが」 「覚悟?」 不審そうに言葉をそのまま繰り返して、わかんねぇな、とシラスは呟いた。 「リンゴ剥くのがそんなに悩むことか?」 「は?」 思わずボクの喉から、まるで素っ頓狂な声が漏れる。 色気もへったくれもないのだけれど、素で出てしまったんだ、しょうがない。 「……リンゴ?」 「リンゴ」 うん、と頷いたシラスに、ボクは呆けたままああそうだよね、とか口が勝手に動くのを聞いた。 「そうだよね!風邪とかにリンゴはツキモノだよね!うんうん判る判るよし任せといてボクが腕によりをかけてウサギさんリンゴを剥いて」 剥いて。 言いながらボクは、自分が何を考えていたのかシラスに悟られないようにと焦って、さかさかとりんごの皮をむき始める。 危うく墓穴を掘りかけたのだ。 掘った穴は早めに埋めてしまうに限る。 たぶんそんなボクの考えはお見通しなんだろう、薄く笑ったまま、しばらく無言でボクがリンゴを剥くのを眺めていたシラスが、 「――あの時、どうして言い合いになったか覚えているか?」 不意にぽつんと呟いた。 「え?」 何かを懐かしむようなシラスの声に、ボクは手元のリンゴから目を上げて、こっちをじっと眺めている金色の瞳を見返した。 「あの時、って?」 「聞きたくもなかったが、聞こえたからな」 「もしかして、今さっき、ネイサム司教に話していた喧嘩の話?」 まいったな。聞かれていたんだ。 たずねるとああ、とシラスが頷く。 「理由――理由ねぇ……なんだったっけなぁ、シラス覚えてるの?」 「キミは忘れたのか」 「うん」 ボクが首を縦に振ると、ヤツはそうかと苦笑う。 「忘れているなら、いい」 「何だよ。気になるだろ。言ってよ」 「忘れたってことは、忘れたほうが良い理由があったかもしれないだろ。わざわざ思い出して不愉快になりたいのかキミ」 「……不愉快になるかどうかはわからないけど、そこまでもったいぶられたら昼寝も出来なくなるから教えてよ」 余計に気になる。 ボクはシラスの胸倉をつかむ勢いで詰め寄った。 「不機嫌になったりしないって誓うから。言って」 「学校のさ」 「……学校?」 そういや、最初に育った山村にはなかった施設のひとつに、学校があった。 王都の学校といったって貴族が通うんじゃなし(そもそも貴族サマは多分屋敷に家庭教師なるものがくると思う)、そうそう立派な建物がある訳でもなくて、多目的に使われるおんぼろの建物に何人かの先生が通って、一日一時間か二時間、書き取りや計算の仕方を教えてくれたりする場所を「学校」と近所の人は呼んでいたのだった。 ああ、でもなんかハルアがたまに混じっていたような気がしなくもない。 アイツなんか、当時はご立派な「皇太子さま」だった訳で、お城で通り一遍の勉強も帝王学も学んでいたろうに、なんだって街の学校なんかに顔を出していたんだろう。 まぁ、思い出せるのは、若い先生のスカートを毎度毎度めくっていた……とかしか覚えてないんだけど。 毎日学校があるのでもなくて、週に三日か四日、先生の都合がいいときに教えてくれていたそれは、たぶん学校というよりは、学習場とでも名づけたほうがしっくり来るかもしれないのだけれど、 それでも張り切って帳面と筆箱もって、学校に通ったものだった。 勉強は出来るほうではないし、あまり好きでもなかったけれど、それにもまして、そこに集まる友達のみんなや、優しい先生が大好きで、何年かボクは通ったのだった。 とくに、書き取りを教えてくれていた女の先生が、教える声は優しいし、髪の毛さらさらでいつもいいにおいがして、ボクはこっそり、大きくなったら先生みたいな女の人になるんだ!とか憧れていたりした。 「学校が、どうしたの」 「年に一度、親の参観日とかってあったろ」 「ああ――あったねぇ。妙に緊張した気がする。……でも、それが、なんで?」 「最初の年。俺は参観日なんざ知らなくて、行かなかったんだ」 「ああ」 思い当たってボクは手を打ち鳴らす。 「そうだ。シラス、こなかったんだ」 こなかった、というよりは正確には知らないから来ようがなかった、が正しい。 先生から『参観日のお知らせ』と書かれた半紙を渡されたはいいものの、 「お父さんお母さんに見せてくださいね」 と言われたボクは、シラスの場合その「おとうさん」にも「おかあさん」にも各当しないと思って、半紙は机の引き出しにしまったままでいたのだった。 当然、渡されてないシラスが知りようハズもない。 「……周りの友達はみんな、きちんとお出かけ着を着た父さんや、着飾った母さんが着てるのに、ボクだけは参観に来てくれるヒトがいなかった。ああ、で、たしか、家に帰ってシラスに何でこなかったのって怒ったんだ……うわぁ、ガキすぎる」 いつもよりちょっと緊張した先生と、ざわざわ後ろばっかり眺める友達みんなと。 あの半紙のお知らせは、このコトだったのだとそのときになって理解したボクは、渡し忘れていた自分のことは棚に上げまくって、来ないシラスを最大に恨んだのだ。 来るはずがないのだ。シラスは何も知らなかったんだから。 それでも、周りの得意げな顔で黒板に向かう友達がうらやましくてうらやましくて、 悔し涙を飲んで家に飛んで帰って、開口一番、鬱憤をシラスに叩きつけまくったのだった。 ――何で来なかったの。 ――ボクのことどうせどうだって良いんでしょう。 ――どうしてみんなには父さんも母さんもいるのに、ボクにはどっちもいないの。 ――シラスなんかいらない。父さんと母さんじゃないとイヤだ。 ――シラスなんかいらない。 「あああああ」 自己嫌悪の波に飲まれてボクは思わずソファに突っ伏す。 「すいません。どうもすいません」 あれだね、今時を戻せる魔法がボクに使えたら、本気であのころのボクに一発喝を入れに行くね。 というかそんなクソガキ喝どころかグーでゴンするね。 喧嘩も何も、単なるボクの一方的なヒステリーじゃないか。 頭を抱えたボクへ、ぽん、と片手ひとつ分の重さが後頭部に加わって、ボクは思わず顔を上げた。 話してちょっとくたびれたのだろう、いつの間にかまたシラスが目を閉じている。 薄く笑った頬がそのまま緩んで、なんだかいつもよりあどけなく見えて、 そういう、「いつもと違う」顔を見てしまうと、なんでだかどきどきして居心地が悪くなる。 不整脈とでもいうやつだろう、か、一度検査したほうがいいのかもしれない。 ――シラスなんかいらない。 それにしても、幼き日のボクは、なんて言葉をコイツに投げつけてしまったんだろう。 それが、一時のかっとなった言葉であったとしても、 本心から出た言葉じゃあないにしても。 そんなクソガキの言葉を聞いて、コイツは腹が立たなかったんだろうか。 悔しくなかったんだろうか。 あんな風に、どうしてまっすぐにボクを追いかけてきてくれたのだろう。 考えていると、なんだか涙がじんわりと滲んで、だめだ今日はもう涙腺がおかしい。 ずずずとボクが鼻をすするところへ、 「……泣くなよ」 片目を薄くを開いたシラスが困ったように眉尻を下げた。 「泣いてないよ」 「……昨日からキミを泣かせてばかりいる気がする……」 「泣いてないってば」 泣こうだなんて思っているわけじゃないし、そもそもベソかくなんて格好悪いし、そんなんだったらいつまで経ってもシラスにオトナ扱いしてもらえないわけで、 「べ、べつに泣き、たい訳、じゃな、ないけどね、ね、でも、き、昨日からずっと」 そう。 昨日からずっと、ボクは怖かったのだ。 お化けが怖いだとか、ゾンビが怖いとか、そんな怖さとは違う。 大事なものがなくなってしまうんじゃないかという恐怖に、ボクはずっと苛まわれていたのだ。 ボクができることなんて、本当に少ししかなくて、 その少しのことさえ、ボクは満足にできなくて悔しくて、目の前で苦しそうなシラスを見てもおろおろすることしかできなくて、 「で、でもね、泣いてもね、な、何も解決しらいからね、泣いたら駄目らって思っててね」 だけど本当は泣きたかった。 泣いて、地団太踏んで、何とかしてって叫びたかった。 でも誰も、何とかしてくれないのだから、ボクがしっかりしなきゃと思って。 胸が詰まってどうしようもなく苦しかったけれど、それをいつも無茶苦茶に投げても受け止めてくれる相手自身が苦しんでいて。 そうしてムドゥブと死に物狂いの追いかけっこをしたときも、やっぱりどうしようもなく怖かった。 もう会えないのかもしれない。 駄目なのかもしれない。 そう思うことはとてつもなく怖かった。 一度涙腺が決壊したら、どうにも涙が止まらない。 それどころかしゃくりあげて発音さえ不明瞭になってきて、なんだか我ながら子供じみていて情けなかった。 「だいじょうぶ」 さっきのように、ぐいともう一度引き寄せられて、ボクはシラスの胸に押し付けられ、乱暴に頭をなぜられる。 「心配してくれたんだな。ごめんな」 押し付けられたシラスの体はあったかい。 シャツが涙と鼻水でぐしゃぐしゃになって悪いかな、とか思う余裕もなく、ボクはみっともなくわんわんと泣いた。 泣ける場所がなくならずによかったな、なんてふと思う。 恥ずかしながら、しばらくそうして思う存分泣いてしまうと、そのうち何が怖くて泣いていたのかがよく判らなくなって、鼻をすすりながらボクはようやくシラスのシャツから顔を離した。 「なぁ、レイディ」 見計らったように、静かな声でシラスが耳元で尋ねる。 「熱くねぇ?」 「ん?」 ムドゥブの卵殻の効き目でも悪かったのだろうか。 赤縛がまだ悪さをしていてまた熱が上がったんじゃあないかと、涙が即座に引っ込んで、ボクは顔を上げる。 すると、突然シラスのドアップが飛び込んだ。 こつ、とヤツの額がボクの額に当たる。 「なに?」 「……レイディ。キミ、熱あるだろ……」 「ぅえ?」 熱? 泣きすぎて重い瞼を、ぱちぱちと瞬きしながらボクは首をかしげた。 「ありますかね、熱」 「なんかみょーに熱いと思ったら、しっかりばっちり高熱じゃあねぇか」 「うわ。うわ。うわ。赤縛感染ったとかうわエンガチョ」 聞いてボクは慌てる。 意外と我慢強そうなシラスですら、なんとなく死に掛けていたんである。 あんなのに罹ったら、ボクはあっけなくコロリと逝ける自信がある、かもしれない。 「バイキンかよ俺は……」 指でおまじないの印を切るボクに、若干呆れながらヤツが苦笑いする。 「そもそも、赤縛は人間が罹る病気じゃあねぇぞ」 「あ、そうなの」 それを聞いて、ボクは胸をなでおろす。 「キミのはどっちかって言うと頭使いすぎた知恵熱だろ」 「ちょっと。なんか今。失礼なことをさり気なく口にしませんでしたか」 「とてもとても慇懃丁寧に話しておりますですよ」 「……もう」 もう。 ムッとするよりも先に妙におかしさがこみ上げて、ボクは吹き出す。 「笑ったな」 そんなボクを見て、何が嬉しいのかシラスがニコニコとした。 「そう言えば浮腫んでるとか司教に言われてたわ、ボク」 言われて初めて、ふわふわしている気がしないでも、ない。 これ、熱のせいか。 「粥もあるしウサギさんリンゴもあるし、準備はばっちりじゃねぇか」 「寝込む態勢万端だねぇ」 まあいいか。 知恵熱なのか風邪なのか単なる旅の疲れなのか判らないけど。 折角今日は休みになったことだし、この際今日はこのままゴロゴロとここで寝て過ごそうと、目の前の魔物を眺めながら、ボクは思った。 僧侶と魔物にモドル